IELTS(アイエルツ)

海外の大学へ行く前にはIELTS(アイエルツ)を受けよう!

海外に留学したいと考えている方は漠然とでも英語は勉強しないと!と考えている方は多いと思います。でも実際に何から手をつければいいのか、具体的な目標もなく困っている方も多いのではないでしょうか?今回は英語によるコミュニケーション能力を計る国際的な試験として、多くの教育機関に採用されているIELTSについて解説していきます。留学をなんとなく考えている方、英語圏の外国で働きたいなどの目標がある方は、是非IELTSの受験をおススメします。

IELTS

IELTSって何?

IELTSってどんな試験なのでしょうか?初めて名前を聞く方も多いと思います。IELS(International English Language Testing System)は英語の習熟度を測定する英語検定の一つです。日本では公益財団法人 日本英語検定協会によって運営されていますが、ケンブリッジ大学などイギリスの英語検定機関によって世界展開されております。実際に海外の大学へ入学する際、このIELTSのスコアの提出が求められたり、オーストラリア等への移民申請時にもIELTSの受験が必要となります。

IELTSは世界的に認められた英語検定試験です。

IELTSの受験資格は?

IELTSには受験資格についてです。まず本人確認書類がパスポートのみとなります。パスポートをお持ちでない方は、試験までに取得している必要があります。年齢についてですが、特に受験を拒否されるようではないのですが、運営元が16歳未満の受験を推奨しておりません。これは大学への入学などに使われるためではないかと考えられますが、真意は公開されておりません。その他には他の英語試験ではない本人確認があります。それは左人差し指の指紋登録と、顔写真撮影(その場で)となります。これは世界的な英語検定として本人確認厳格化の一環として行われているもので、これを拒否すると受験資格がなくなるといった厳しいものです。これがあるため受験者は不正ができなくなるので、イギリスのビザ取得の基準スコアといった厳しいものにIELTSが採用されております。

IELTSの試験はいつ行われている?

TOEICや英語検定などはいろいろなところで年数回行われていますが、IELTSの試験はいつ行われているのでしょうか?試験の回数は年間48回行われております。月に2回は行われていることになります。会場も各種主要都市で年1回は行われています。特に東京・大阪では月に2回行われています。

IELTSの試験内容は?

IELTSの試験内容についてです。試験科目としてはListening(リスニング)、Reading(リーディング)、Writing(ライティング)、Speaking(スピーキング)の4つの試験から成ります。TOEICなどの主な英語検定試験では4番目のスピーキングテストがない場合が多いですが、IELTSについては共通科目としてあります。

それぞれの試験科目の試験内容の詳細です。

科目 Listening Reading
試験時間 30分(その後、解答を書き写す時間10分) 60分
問題数 全40問 全40問
採点方法 正答1問につき1点(40点満点) 正答1問につき1点(40点満点)
科目 Writing Speaking
試験時間 60分 11〜14分
問題数 全2問 3パート(自己紹介、スピーチ、ディスカッション)
採点方法 IELTS試験官による4段階評価 IELTS試験官による4段階評価

ListeningやRaadingは、TOEICなどの試験を受けたことがある方にはイメージしやすいかと思いますが、マークシートや記号選択の問題が少ない記述がメインの問題構成となっております。それ以上にIELTSでは、WritingとSpeakingが難関です。

Writingはグラフなどが印刷された問題内容と質問内容が書かれており、自分の考えを英語で書くという試験内容となっております。またSpeakingは、英語検定の3級以上になると面接がありますが、その内容をより高度にしたものとなります。特にスピーチの試験内容に当たる、当日試験官から渡されるトピックとそれに対する質問については言うまでもありませんが、当日まで内容は知らされませんので、その場での英語スピーチ力が必要となります。TOEICなどと比較しても非常に高度な英語力が要求される試験となります。

試験結果はどのように通知される?

試験結果は各パートの1~9のBANDを0.5刻みで採点されます。Listeningなどは40点満点でBAND9と言う形になります。WritingやSpeakingなどのぴったりとした点数で表せないため、こうしたスコアによる結果を通知しております。最後に各パートのBANDより算出されたOverallが出されます。

以下は公式に発表されているBANDの英語能力です。
 

BAND 9

十分に英語を駆使する能力を有している。
適切、正確かつ流暢で、完全な理解力もある。

BAND 8

時折、非体系的な不正確さや不適切さがみられるものの、十分に英語を駆使する能力を有している。
慣れない状況においては、誤解が生ずることもありえる。
込み入った議論に、うまく対応できる。

BAND 7

時折、不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を駆使する能力を有している。
複雑な言語も概して上手く扱っており、詳細な論理を理解している。

BAND 6

不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、概して効果的に英語を駆使する能力を有している。
特に、慣れた状況においては、かなり複雑な言語を使いこなすことができる。

BAND 5

部分的に英語を駆使する能力を有しており、大概の状況において全体的な意味をつかむことができる。
ただし、多くの間違いを犯すことも予想される。
自身の分野においては、基本的なコミュニケーションを行うことができる。

BAND 4

慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。
理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言語は使用できない。

BAND 3

非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。
コミュニケーションが頻繁に途絶える。

BAND 2

確実なコミュニケーションを行うことは不可能。慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を単語の羅列や短い定型句を用いて伝えることしかできない。
英語による会話、および文章を理解するのに非常に苦労する。

BAND 1

いくつかの単語を羅列して用いることしかできず、基本的に英語を使用する能力を有していない。

BANDのスコアが良ければ、英語能力も高いということになります。
 

他の試験とはどのような関係性があるの?

TOEICや英語検定の試験とIELTSのBANDには相互補完の関係はありませんので、IELTSのBAND7以上はTOEIC○○点以上となるといったものはありません。しかし、一般に言われている他の英語検定試験との関係性(TOEIC○○点以上がBAND○相当)は以下のような形になります。

IELTS TOEIC 英検
7.5 970〜990
7 870〜970 1級
6 740〜820 準1級
5 550〜600 2級
4 450〜490 準2級
3 291〜299 3級
2 260〜269 4級
1.5 100〜259 5級

この表のデータはあくまでも目安ですがTOEICの満点でもIELTSの7.5相当となるため、試験内容がどれだけ高度かがわかります。

問題は受験料

これだけ高度で海外の大学の入学審査にも使われるIELTS。国内でも試験回数が多いため、何度も受験をしてコツを掴んでいきたいと考えている方もいるのではと思いますが、受験料についての問題があります。それは他の英語検定試験と比較にならない程高額だということです。受験料は1回25,380円となります。これは指紋認証や当日の写真撮影など本人確認を厳格化している関係もあるのですが、特に学生の方にしてみれば、月に何回も受けられるほど出せる金額ではないと思います。勉強の成果を出す日程を決めてそこに向かって精いっぱい努力する必要があります。これは逆に受験料が安く何回も受けられたら、1回に入る気合いが全く違うものになっていたと考えられるので、何事もいい方に捉えましょう。

勉強方法は地道な英語力強化あるのみ

IELTSの概要が分かったところでどうやって手を付ければよいのか分からない人も多いのではと思います。海外の大学によっては入学基準に2年以内の受験でBAND○以上が必要と明記されている所も多数あります。留学を考えている方にとっては、IELTSを勉強しないわけにはいきません。そうなれば短期間で確実に成果がでる方法を知りたいと考える人も多いと思いますが、試験の性質上そういった手は通用しません。ListeningとReadingは過去の問題分析で何とかなったとしても、WritingやSpeakingは、英語の総合力が問われる内容となっております。

これは日々英語にどれだけ触れているかが試験時の実力を左右します。過去の問題からどういった分野の問題が出題されるのかといった分析は必要ですが、その分野の英文を読み、英単語を覚えていくしか道はないと考えます。これは留学後も必要なことで、留学先の学生や教授と日常的に専門用語を使った会話や授業を聞かなければならないため、IELTSがとても都合のいいトレーニングになるのではないでしょうか?
 

マレーシア留学に向けたIELTS試験の必要性

日本ではあまりメジャーではないIELTS試験ですが、マレーシアでは企業や大学院入試で当たり前のように基準とされております。大学入試では高校での成績+IELTSのスコアを選考基準としているところが殆どです。マレーシア留学に置いてはIELTSの受験が必須となります。これは隣国シンガポールが世界的な国際ビジネスの拠点となっていることから、世界中から優秀な人材が集まってきています。マレーシアからシンガポールに簡単に行けるということもあり、国際意識が根付いていると考えられます。実際にマレーシアの小学校などの児童教育では、英語が公用語として使われており、日常的にも中華系の人には中国語で話し、母国語であるマレー語も話さなければならない時もあり、頭が休んでいる暇がないほどバイリンガルに鍛えられております。

日本のようにバイリンガルというような完璧な英語、中国語ではなく、○○さんと話すときは中国語、学校では英語と言ったように言葉の使い分けが子供の頃から身に着けることができる環境であると言えるでしょう。

マレーシアの英語はローカル!?

よくマレーシアは英語を公用語にしていることを売りにしているのですが、結局はローカル英語ではないかと言う指摘があります。これは半分合っています。IELTSの試験もマレーシアは日本よりも一般的になっていますので、マレーシアで受けるIELTSは日本よりも難易度が低いなどという話もあります。しかしアジアで活躍をしようと考えている方は、欧米の正しい英語よりもこうした現地の英語に触れたほうがいい場合もあります。

少し本題から外れて中国語の例を見てみます。マレーシアでも中国語を話す中華系の人も住んでいますが、中国語はマレー訛りのある言葉になるとのことです。中国本土でも北京の辺りで使われる北京語が中国語の標準語となっていますが、四川や重慶・上海などの言葉は訛りが強く、現地の人同士じゃないと通じないこともあります。中国語を話せれば、世界の中華系ビジネスマンとのビジネスに役立つと言われているのですが、北京語が通じない中国語圏というのも存在します。

これは日本語でも同じことが言えます。例えば大阪でビジネスを行おうと考えた時に、大阪弁を話すことができるのとできないのでは、親しみがわくのかわかないかということで、ビジネスが円滑に回らないこともあります。マレーシアやシンガポールなど、東南アジアの経済発展豊かな国々で活躍をしようと考えた時に、欧米のきっちりとした英語が必ずしも必要ではない時があります。逆に標準語(きっちりとした欧米英語)しか話せないと、ビジネスが円滑に進まないような可能性さえあります。(よそ者扱いされてしまう等です)IELTSできっちりとした英語を身に着けていけば、後からローカル英語を学ぶことも難しくありません。ローカル英語であっても基本は同じだからです。

マレーシアの大学へ行く前にIELTSを受けよう!

日本でIELTSを受けるというと、非常に特殊なことのように思われますが、試験も年間に数多く実施されており、受けようと思えば誰でも受けることが可能です。また、試験を受けることでより高度な英語力を身に着ける目標とすることができ、その結果は世界共通のものとなります。将来移民申請や移住をする際のビザ申請にも役立つので、大学の入試以外の用途も広がっています。マレーシアの大学への留学を目指している方のみならず、なんとなく海外に憧れを持っている人、世界で働きたいと考えている人にとっては身近な目標にはもってこいです。
国際標準の英語能力検定でもあるIELTSを是非受験してみましょう。

まとめ

IELTSなどの英語試験はあくまでのその実力を証明するものに過ぎません。実際にはこの英語力を活かして何をしたいかが最も重要となってきます。IELTSのスコアが高いことはその人の努力の証であることに間違いありませんが、それに満足してしまっては、その先に控えている留学でできることが限定されてきてしまいます。

知識を吸収することを楽しんで、公用語である英語はツールに過ぎないという認識を持つことが重要です。マレーシアの隣国シンガポールでは、世界経済の中心となりつつあります。隣国の経済発展の影響を受けるようにマレーシアも近年稀に見る発展を遂げています。ここで、日本やマレーシア、世界を相手にビジネスを展開したい人にとって、マレーシアはとても魅力的な留学先となるでしょう。IELTSはその通過点にすぎません。マレーシアに行けば中国語も勉強しなければならない機会も多いです。その際に共通言語である英語がきちんとできていれば、苦労することも少ないのではと思います。ローカル英語・中国語は、基礎として英語や中国語を学んだ人にとっては、なんとなく分かる程度から入ることができると思います。
 
留学で広がる可能性は、日本の大学へ進学するのと桁違いと考えていいでしょう。ですがその可能性を可能性のままで終わらせるのか、きちんと勉学や学生同士の交流を深めて後の人生にいい影響をもたらすのかは、留学してからの行動一つで変わります。IELTSに限らず、一つのことに満足せずにハードルは次々に表れてくるのですが、それを楽しんで超えることができる人になってほしいものです。