中学生・高校生留学の費用比較

1年間にいくらかかる?中学生・高校生の海外単独留学

子どもの留学時期は、高校を卒業してからと考えている方は少なくありません。実際に多くの人が高校卒業後に海外留学をしていますが、その時期からの留学で期待するようなスキルを得ることなく帰国の途についた学生もかなりいるのが現状です。いずれは留学をと考えておられるのであれば、多くの人が考える一歩、二歩手前の中学生、高校生の時期から海外へ出るという選択肢について真剣に検討してみるのには大きな価値があります。

留学を経験したことがなく、英会話も習得したことがない人から見ると1、2年海外で生活すれば誰でも英語を話せるようになるという印象を持つことが多いものです。しかし、どんなに長期間滞在していたとしても、英語がうまく使いこなせないままで終わる人もいるのが現実です。たとえ英語が話せるようになったとしても、日常英会話の範囲を超えて様々な分野の話題を展開させていくだけの力をつけるには、語学をメインに学んでいるだけでは不十分なのです。

高校卒業後には英語に関する基礎はひと通り通過しているはずなので、留学すれば日常会話に発展させやすいことは確かです。しかし、その段階から日常会話のトレーニングを始め、グローバル人材としてビジネスに通用する英語力まで引き上げていくのは大変なことです。

中学生・高校生留学

急速にグローバル化が進む現代の世界に目を向ければ、従来の教育のままでは追いつくことができないのは明らかで、今やビジネスシーンにおいても英語力はあって当たり前の世界です。むしろコミュニケーション力やバイタリティなど、プラスアルファの要素がかなり重要視されており、国際感覚豊かな人材がとても歓迎されています。そのような観点から見ると、最も多感で脳が柔軟な中学生、高校生の時期に留学を経験するということは、他には代えがたい一生の財産になることは間違いありません。

近年着実に増加している中高生の海外留学

中学生・高校生からの留学に早くから着目し、若い頃から世界へ飛び出していく学生は着実に増えてきています。また、費用の面などが障害となっている場合もあり、実行こそしていなくても関心を持っている方達はそれ以上に多く、より詳細な情報が求められているところでもあります。

文部科学省では昭和61年度からこれまでにわたり、日本の中学生・高校生の国際交流等に関する調査研究を行ってきました。その調査項目の中に生徒の外国への3カ月以上の留学者数というものがあります。

この調査によると、年々増加していた留学者数が平成25年になると一気に増加しており、平成23年度の調査と比較して約20%もの増加が見られていることが以下のグラフからもよく理解することができます。この結果は、実際に留学を実行した人の人数ですが、費用面をはじめ様々な問題もあるので行きたい人全てが行けるわけではないかもしれず、潜在的には関心のある人々がもっと多いことが容易に想像されます。

中学生・高校生留学

費用面を人気の留学先で比較してみてわかること

中高生からの海外留学を考えていたとしても、やはり気になるのが費用面ということになるでしょう。海外で1人生活をしながら学校に通うともなれば、それなりの費用がかかることは予想できますが、実際にいくらぐらいかかるかの目安もよくわからないのではないでしょうか。

近年では留学先として選ばれる国は従来の欧米からさらに幅を広げ、費用と教育の質両面のバランスがとりやすいアジア諸国への留学に対する注目度も急上昇しています。例えば、同じ期間海外旅行に行くにしても欧米とアジアでかかる費用が全く違うように、留学にかかる費用も国や地域によってまちまちです。そこで中高生の留学にかかる費用の目安を、人気の国ごとに比較したものを見てみることにしましょう。

6カ国の留学費用の目安(年間)

※料金には1年間にかかる学費、滞在費、渡航費、お小遣いなどが含まれますが、価格の高低差に関しては学校によって学費が異なる部分と、滞在費が占める割合が多く、渡航費は時期などによって変動しますので、以下の金額が前後する可能性もあります。

アメリカ:330万円~780万円
州によって教育システムが違い、義務教育期間が異なる。
高校は日本の大学のような単位制で、必須科目の他に選択科目の履修ができる。
物価は全体的に日本より高いと考えた方がよい。
イギリス:480万円~680万円
他の国々とは教育制度がかなり異なる。
十分な英語力がない場合には留学生用の英語学校で別プログラムの受講が必要になる。
交通網が整備されており便利だが物価は高く、ファーストフードのセットでも1,000円ぐらいかかる。
カナダ:320万円~470万円
アメリカと同様に必須科目と選択科目の履修ができる。
全体的に学習に取り組む姿勢や評価に対しては厳しく見ていることが多い。
物価は地域によって差があるが、全体的に高いと考えた方がよい。
オーストラリア:320万円~470万円
地域によっては留学生の受け入れに関して積極的。
物価は品物によって異なるが食料品以外は日本より高め。
マレーシア:220万円~420万円
イギリスやオーストラリアのインターナショナルスクールが進出しており留学先として人気がある。
現地の物価が安いため、学費、寮費込みの料金は低いがプログラムのレベルはとても高い。
シンガポール:370万円~470万円
国全体で教育への関心やレベルが高いため、多くの留学生が滞在している。
買い物も便利な環境が整っているが、物価は日本よりは安いという感覚。

以上、中学生・高校生の留学先として人気の6カ国を比較してみると、1年間で留学にかかる費用は200万円台から700万円台まで国によってかなりの差があることがわかります。それぞれの費用に含まれているお小遣いの目安を見てみると、一番安いマレーシアで年間12万円、最も高いところでアメリカ、イギリスの60万円、意外なところでは安いと思われがちなシンガポールでも年間50万円ほどが必要とされており、各国の物価の違いがよりはっきりと理解できます。中でも物価がかなり安いマレーシアですが、受けられる教育プログラムの質は高いままで全体の費用が安いということで、従来の欧米趣向から今この国への留学が大きな注目を集めています。

1年間にかかるお小遣いの目安

国名 金額
アメリカ 60万円
イギリス 60万円
シンガポール 50万円
カナダ 48万円
オーストラリア 36万円
マレーシア 12万円

子どもにかかる教育費は、中高生の留学がゴールではありません。まだその先に大学進学等が控えているならば、引き続き教育費がかかり続けるということも考慮に入れて、留学にかける予算についてよく計画しておくことがとても重要です。

中学生、高校生が海外留学する理由

中高生が海外へ留学するのは、将来に明確な目標がある人達ばかりではありません。留学する人達の中には過去に日本での学生生活に馴染むことができず、不登校や引きこもりになってしまった人達が海外で新たな人生をスタートさせている場合もあるのです。

不登校だったのに留学など可能なのだろうかと思うかもしれませんが、留学という思い切った環境の変化だからこそ、不登校で苦しんだ子どもの心にもたらす影響は計り知れない大きさがあります。不登校になるきっかけは人によって違いますが、多くの子ども達に言えることとしては、自分に自信が持てなくなってしまって前へ進みたくても進めない状況に追い込まれているということです。このままでいいと考えている子どもはほとんどいませんし、自分を変えたい、変わりたいと心の底では願っている場合も少なくありません。

子どもの心はふとしたきっかけで躓いてしまうこともあれば、逆にふとしたきっかけでその状況が反転することもあります。日本では、一度不登校になってしまうと、その後の人生のレールから外れてしまったかのように扱われることが少なくありませんが、世界という広い社会へ出れば、まだまだ知らない人生の選択肢に出会うチャンスはいくらでもあるのです。海外留学をするには英語力があれば選択肢が多いのは確かですが、最初から英語ができなくてもやっていける環境はありますから、誰でもチャレンジする気持ちさえあれば実現できます。

もしかすると、日本では人の目が気になってしまい委縮してしまっていたかもしれませんが、海外では人は人、自分は自分という良い意味での独立した考え方が当たり前に浸透しているので、趣味趣向などの違いも単なる多様性として受け入れられる寛容さを体感できます。また、自身もその価値観を身につけることができるので、他の人に対して広い心で接することができるようになるでしょう。

人が成長するためには、人との関わりの中でしか学べないこともあります。海外留学という経験で、様々な国の人達と関われるようになっている頃には、日本へ帰っても自信を持ってコミュニケーションを取れるようになっていることでしょう。

海外留学をすることで親子の絆を再確認できる

中高生の段階で留学をすると、自分の事は自分で行わなければならなくなります。日本にいれば親が色々と面倒を見てくれていたようなことも、自分で色々と考えて生活しなければならないので、自立心や主体性が飛躍的に成長します。現代の若者に足りないと言われるそのような逞しさは、親元で守られている中ではなかなか育ちにくい部分かもしれません。

もちろん中高生はまだ完全に親元を離れ自立できる年齢ではないので、引き続き保護者からのサポートが必要です。しかし、今の時代はインターネットを使えば世界のどこにいても簡単にやりとりできるので、距離こそ離れてはいても、いつでも必要なアドバイスや励ましを与えてあげられるので安心です。子どもも親元を離れることによって感じる何かがありますから、お互いが日本にいる時以上に信頼関係は強固なものになるかもしれません。

この時期の親と子の関わりはとても重要です。しかし、親子が過度に密着し過ぎてしまうと気づかないうちに過干渉になってしまい、子どももそれが当たり前となって自立を妨げかねません。親が子どもを育てる目的は、子どもを自分の物としていつまでも抱え込むことではなく、自立した大人に成長させることです。物理的に子どもが手元から離れていくことには寂しさを感じるかもしれません。しかし、心まで離れてしまうわけではありませんから、喜んで海外へ送り出してあげるようにしたいものですね。

子どもが様々なことにチャレンジしている姿を見るのは、親にとっては嬉しくもあり心配でもあるでしょう。留学生活をしていけば、時には落ち込んだりすることもあるかもしれませんが、そこで親がすぐに手を差し伸べてしまうのではなく、その問題をどう乗り越えるかを見守る勇気も大切になります。海外生活には楽しいことや、大変なことが色々ありますが、それは本人だけでなく他の留学生も同様です。そんな時、周囲の人達とどう支え合っていくかということも、一歩成長していくための素晴らしい経験になるのです。

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