イギリス留学との比較を用いた戦略的なマレーシア留学の方法
近年英国式ボーディング・スクール(Boarding School)の相次ぐ開校により、イギリス留学と同等の教育と、ブリティッシュ英語の習得が、アジアで叶えられるようになりました。マレーシアにある英国式ボーディング・スクールでは、イギリス本国を完全に踏襲したスクールの実現に成功しています。イギリスから趣いた教師たちが9割を占めるスクールも珍しくなく、アジア留学で懸念される言葉の訛りや、教育のローカル性などの問題をクリアしています。そして、本校と同等の教育カリキュラムと理念を再現し、アジア地域の学力の向上に貢献しています。
マレーシアでは、これら初等教育(幼稚園・小学校)~後期中等教育(高校)だけでなく、大学の誘致にも積極的に取り組んでいます。イギリス、オーストラリアなどの海外名門大学の分校の開校も進み、多くの学生たちが世界レベルの教育を求めてマレーシア留学を選択しているのです。
また、マレーシアを語る上では、イギリスとの関係を切り離すことはできません。マレーシアは歴史的背景から、イギリスとブリティッシュ英語との深い関わり合いが独特の英語社会を築いています。それらのことから、マレーシアは英国式ボーディング・スクール以外の一般の教育現場でも、イギリスの教育制度の影響を受けた特徴的な教育システムを採用しています。
このような動きから、マレーシアはアジアにおける教育ハブとしての役割を担っています。高校留学1では留学の概要をご紹介しましたが、高校留学2では、学費や入学難易度など具体的な数字を用いて、英国式ボーディング・スクール・マレーシア分校の優れたポイントや、戦略的なマレーシア留学の方法について考えていきましょう。
マレーシア分校は入学難易度が易しい
高校留学で注目されている英国式ボーディング・スクールは、完全な英国式カリキュラムの履修と、イギリス本校からネイティブの教員を迎えた本格的なブリティッシュ英語の環境が整えられています。それらのことから、マレーシアにいながらにして、イギリス留学と同等のものを経験できます。履修内容のレベルだけでなく、教育施設やボーディング・ハウス、ICTを利用したテクノロジーの整備に至るまで、イギリス本校との間に差異はありません。
一方で、マレーシアは英語の準公用語使用がなされていますが、母語ではありません。そして、アジア諸国、中東、アフリカなど、それぞれ異なる言語を使用する国からの留学生の受け入れに積極的です。そのため、入学難易度においても、イギリス本国と比較すると格段に優しいのが特徴です。
イギリスの名門ボーディング・スクールであるマルボロ・カレッジを例に、イギリス本校とマレーシア分校の入学難易度を比較してみましょう。
入学試験の比較
イギリス本校 | マレーシア分校 |
---|---|
GCSE* 6科目B以上 (英語、数学含む) ※実際はこれ以上のスコアが必要 |
・認知能力試験 ・小論文(45分) ・10分間の面接(2~3回) |
*…GCSE(General Certificate of Secondary Education)の略称で、イギリス本国の教育カリキュラムのスコアをはかる統一試験です。ここでは、義務教育修了時に受験するGCSE(General Certificate of Secondary Education)の0レベルのスコアを意味しています。
マレーシア分校で受けるテストは、認知能力試験のみであるのに対し、イギリス本校の入学試験の基準は大変厳しくなっています。
イギリス本校では、GCSEのうち英語と数学を含めた6科目において、B以上の成績が求められます。GCSEはA*、A~Gまでの複数段階評価で、大変細かくランク分けされています。その中で、英語、数学を含めた6科目でB以上を求められるとなると、イギリス人の優秀な子供たちの成績と同レベルの、大変高度な英語力が求められることがわかります。そして、数学、その他の科目の学力までもトップ・レベルの好成績でなければなりません。一方でマレーシア分校では、イギリス本校と同レベルの履修内容が教授されるものの、入学基準は認知能力テスト、小論文(45分)、10分の面接×2~3回と大変易しい内容です。
また、英語力についても、母語であるイギリスとは違いマレーシアは学習補助に手厚いのが特徴です。アジア、中東、アフリカをはじめとした世界数10カ国からの留学生を受け入れており、英語を母語に持つ子どもは非常に少ないからです。また、スクールにもよりますが、シンガポール国境に近いジョホールバルにあるマルボロ・カレッジでは、シンガポールに駐在しているイギリス人の子どもが通学しているケースが多く、マレーシアにいながら同級生に至るまで、本校に近いものを体験できるでしょう。
マレーシアの学費はイギリスよりロー・コスト
学費+ボーディング費用(1年間)の比較
イギリス本校 (£)(日本円) |
マレーシア分校 (RM)(日本円) |
差額(日本円) |
---|---|---|
35,280(約5,115,600円) | 177,450(約4,613,700) | 約501,900円 |
£1=145円 1RM=26円(2016年12月レートより)
イギリス本校は1年間の学費が約511万円であるのに対し、マレーシア分校では461万円と、約50万円のコスト・カットが可能です。その総額は、高校3年間で約150万円にものぼります。マレーシア分校がコストの面から見ても魅力的であることは間違いありません。
飛行機で6時間、時差1時間の快適なマレーシア留学
移動時間と時差の比較
移動時間(飛行機利用) | 日本との時差 | |
---|---|---|
イギリス | 12時間30分 (復路11時間40分) |
9時間 |
マレーシア | 6時間 | 1時間 |
日本からイギリスまでは、往路12時間30分、復路11時間40分です。一方でマレーシアは日本から6時間と、イギリスのほぼ半分で済み、行き来に不自由しません。短時間のため、単身での出国/帰国も心配ありません。また、万が一の時には日本からすぐに駆けつけることができます。日本とマレーシアの間の時差は短く、感じられない程度なので、電話連絡など国内と同じ時間の感覚でかまいません。スムーズな行き来ができ、いつでも連絡が取れるマレーシアなら、安心して子供を送り出すことが可能です。
常夏の楽園で楽しみながら勉強する
年間平均気温と冬/夏の平均気温の比較
年間平均気温 | 1月/7月平均気温 | |
---|---|---|
イギリス | 10.0℃ | 4.4℃*/17.1℃ |
マレーシア | 27~33℃ | 33℃/33℃ |
*イギリスは東京の冬とほぼ同じ寒さ 雪の日…16日(東京9.7日)
イギリスの年間平均気温は10℃と大変低く、冬の寒さは東京とほぼ同程度といわれています。しかし、降雪日数は東京が9.7日であるのに対して、イギリスは約1.6倍の16日にものぼります。一方でマレーシアは年間平均気温が一定で27℃~33℃の熱帯雨林気候の常夏の楽園です。33℃は高いように感じられますが、朝晩は23~25℃まで下がるので、日本の夏と比較すると大変過ごしやすいといわれています。
マレーシアの日照時間はロンドンの1.5倍
年間降水量と日照時間の比較
イギリス | マレーシア | |
---|---|---|
年間日照時間 | 1,460時間 | 2,230時間 |
年間降水量 | 750.6mm | 2,430mm |
マレーシアは常夏の楽園らしく、年間日照時間が2,230時間あり、これはイギリスと比較すると1.5倍にものぼります。イギリスは降雨量こそ少ないものの、曇天や霧の発生が特徴的です。一方でマレーシアは降雨量の多さが目立ちますが、これは雨季の影響と気温の高さからくるものです。しかし、マレーシアは雨季でも一日中雨が降り続くことはありません。晴天の合間に強いスコールが1時間程度降り、直後に晴天に戻るという熱帯雨林気候特有のものです。空気の熱気と汚れを洗い流す雨季のスコールは、好まれることが多いといわれています。
また、マレーシアは1年を通して気温が安定しているため、衣類の調節が不要です。常夏の楽園で、太陽と緑が目に気持ちよく、勉強やスポーツにもしっかりと集中できる環境です。
身近なマレーシアでイギリス留学体験
このように、様々なデータを用いて見ても、マレーシア留学の魅力は語り尽くせません。安定した気候だけでなく、マレーシアは治安の良さでも知られています。日本から6時間、時差1時間、本格的な英国式ボーディング・スクール・マレーシア分校がもたらすアジアの教育革命は今後、大きなうねりとなるでしょう。アジア地域全体の更なる学力向上と、社会貢献に適した優秀な人材教育の拠点として注目されていくことは間違いありません。
これらの英国式ボーディング・スクールを目指し、高校留学に旅立つ彼らが、この大きなムーブメントのパイオニアとして、グローバル社会を牽引する姿を見る日は、そう遠くありません。
高校留学3では、マレーシアから世界の大学進学への進路の多様性についてご紹介します。