マレーシアの大学制度(4)

(6)学位について

学位は「Degree」と表記します。大学での履修内容によって各人の取得した学力の相対的なレベル、専門性などを表すものです。

イギリス式の学位

イギリス式の教育様式をとるマレーシアの大学では、日本の4年制大学相当の学位を取得するのに必要な履修期間は3年間といわれています。これは、欧米などの学位履修とほぼ同じスタイルです。

優等学位取得を3年間で

一般の4年制大学卒業相当の学位より優良とされる「優等学位」については、この3年間の履修で取得することができるのがマレーシアの大学の魅力の1つです。通常、イギリス、オーストラリア、アメリカ、カナダなど欧米の大学に留学した場合、この「優等学位」を取得するには、1年間の追加履修が必要になります。

この「優等学位」の3年間での取得には、成績の優良性が認められる必要があります。成績評価は「可」あるいは、それ以上のものを求められます。

海外有名校の学位取得をマレーシアで

マレーシアへの大学留学で注目されている学位の1つは、イギリス、オーストラリア等の欧米の有名大学の学位をマレーシア国内だけで取得するこができるツイニング・プログラムの存在です。留学生を積極的に受け入れるマレーシアの私立大学では、多くの海外の大学と提携し、マレーシア国内で海外大学と同じ履修内容を提供し、学位を授与しています。

ディグリー(Degree)

「準学士」を意味します。日本での短期大学卒業資格に相当する学位です。

バチェラー(Bachelor)

「学士」を意味します。日本での4年制大学の卒業資格に相当する学位です。専攻する学部、学科によって、文学士(BA:Bachelor of Arts)、理学士(BSc:Bachelor of Science)などを取得することができます。

オーナーズ・ディグリー(Hons/Honours Degree)

「優等学位」を意味します。イギリス、オーストラリア、アメリカ、カナダ等、欧米の大学では一般の学士であるバチェラー(Bachelor)より専門性が高く評価される学位で、優良と認められているものです。欧米の大学でオーナーズ・ディグリー(Hons/Honours Degree)取得を目指すには、バチェラー(Bachelor)を取得後、1年間の追加履修が必要になります。しかし、マレーシアでは3年間の履修でオーナーズ・ディグリー(Hons/Honours Degree)の取得が可能です。成績の優良評価により追加履修なしで取得可能となり、成績評価は「可」あるいは、それ以上のものを求められます。

ツイニング・プログラム(Twinning programme)

「海外提携大学」プログラムを意味します。マレーシア国内にあるイギリス、オーストラリアなど欧米の海外提携大学の学位を取得するものです。マレーシア国内のみで履修する「3+0」コース、2年次以降を海外大学に留学して履修する「2+1」コースなど、個々人の希望により選択できます。費用を抑えることにウェイトを置くと、マレーシアのみで履修することをお勧めします。

  • 「3+0」コース…マレーシア国内のみの履修コース
  • 「2+1」コース…1~2年をマレーシア、3年次に海外大学留学コース
  • 「1+2」コース…1年次をマレーシア、2~3年次に海外大学留学コース

※マレーシア国内の大学の学位取得と比較すると、このツイニング・プログラムは海外提携校に留学しない場合でも学費は高めです。

ダブル・ディグリープログラム(Double Degree Programme)

「複数学位」プログラムを意味します。マレーシアの大学の学位と、海外提携校の学位、2つの学位が取得できるものです。マレーシアのほとんどの私立大学では、イギリス、オーストラリアの大学と提携しています。その他、アメリカ、カナダ、ニュージーランドなどの大学と提携している大学もあります。中には10数校と提携している大学もあるため個々人の希望に合わせて、マレーシア、海外大学、2つの学位取得をスムーズに実現できます。

(7)進学コース

様々なスタイルから選択可能なマレーシアの大学の進学コースは実に多様です。大学進学英語コース(Intensive English)、ファウンデーション(Foundation)、あるいはプリユニバーシティ(Pre-University)と呼ばれる大学進学準備コース、ディプロマ(Diploma)課程、学士課程のディグリー(Degree)課程、これらの進学コースについてご紹介します。

(A)Intensive English(大学進学英語コース)

大学進学英語コースは、入学判定の際、英語力のスコア不足により入学不可となった場合に選択する、英語基礎力を身に付けるためのコースです。大学によっては毎月入学可能時期(Intake)が設けられており、履修期間は個々人の英語力により3~6ヶ月となっています。

英語基礎力のレクチャーといっても、大学の授業を履修する上で必要な英語力を伸ばすプログラムになっています。時に大学の授業は膨大な量の専門資料を読む必要があったり、人前でプレゼンテーションをすることを求められたりします。また長文からなる文章を作成したり、日常の授業内容を自ら英語でノートを取ったりするなど、実に高度な英語を求められます。そういった英語で授業を受ける大学生としての基礎力を身に付けるコースです。

大学進学英語コースを受けた留学生は、マレーシアのみならず世界中どこの英語圏での大学にも進学可能といわれています。イギリス、オーストラリア、アメリカ、カナダなど、ご自身の目標に合わせて好きな大学へ進学することも可能です。

現状では英語力が進学基準を満たさない場合でも、英語で行われる大学の授業に対応できる英語の基礎力を身につけることで、その後の進路の選択肢が広がります。

(B)Foundation/Pre-University(大学進学準備コース)

ファウンデーション(Foundation)、あるいはプリユニバーシティ(Pre-University)と呼ばれる大学進学準備コースは、主に一般教養家庭の履修プログラムとして創設されています。

イギリス式の教育カリキュラムは、高校卒業までに履修する年数が11年と、6.3.3制の日本の高校卒業までの12年と比べると1年不足します。その場合、大学進学準備としてこのコースを履修することになります。

内容はとても充実していて、マレーシア、イギリス、オーストラリア、カナダ等の機関が運営しています。中には、大変評価が高いAレベル(Cambridge GCE A Level)、SAM(South Australian Matriculation)、Canadian International Matriculationのコースを設けている大学もあります。

一般的に日本の高校卒業資格は、この12年制を修了していることが確認されるので、履修の必要がないことが多いです。中には日本の高校卒業資格では大学進学レベル未満と判断され、大学進学準備コースの履修を経て学士課程への進学を認めるものもあります。それについては各人でお調べいただくことをおすすめします。履修後はマレーシア国内の大学の学士課程、その他海外への自由な大学進学も可能です。

(C)Diploma(ディプロマ課程)

ディプロマ(Diploma)課程は、履修期間2~2年半、日本の短期大学課程に相当するコースです。入学資格の判定においてもやや易しく、多くの留学生に対して門戸の開かれたコースとなっています。また、ディプロマ課程終了後は、一般の短大と同じように、就職、進学が可能です。進学の際は、学士課程の2年次編入、マレーシア国内での他大学へ編入、その他海外の大学へも編入可能です。

(D)Degree(学士課程)

日本の大学は4年制で、まず一般教養課程を履修してから専門の学士課程に入るのが一般的です。しかし、マレーシアの大学ではその一般教養課程はファウンデーション、あるいは、プリユニバーシティと呼ばれる独立した1年間の履修課程となっています。

学士課程のディグリーでは、その一般教養課程の下地なしに専門の学士課程を履修します。履修期間は学部により異なりますが、主に3年~5年となっています。

履修年数の目安

3年 文系学部、IT系学部
4年 工学系学部
5年 医学部

日本の高校卒業資格を持っている場合、一般教養課程を経ることなく、直接、専門の学士課程であるディグリーコースへの進学が可能であることが多く見受けられます。

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