マレーシアの大学制度(3)

(4)編入・転学の難易度

マレーシアの大学は履修・進学の方法もとても多様性に富んでおり、編入・転学なども一般的に行われています。日本の大学では、進学した大学に入学~卒業するのが一般的で、短大などからの編入の受け入れも多くありません。マレーシアの大学で多様な履修・進学スタイルを選択することで、卒業後の進路の可能性を拡大することができます。

編入・転学は易しい

編入・転学が一般的に行われるマレーシアの大学では、門戸が広く開かれ、難易度は比較的易しいのが特徴です。気軽に編入・転学が行われ、学生たちは自身に見合った環境で学問に励んでいます。
また、マレーシアの大学は教育内容が高度で、欧米大学との提携も盛んに行われています。中にはイギリス、オーストラリアなどの欧米大学と多数提携している大学もあり、その数は目を見張ることもあります。そういった環境から、常に世界の水準を意識し、履修レベルもトップ・クラスを維持しています。これからの社会を担うグローバル人材を育てるために積極的な環境づくりに取り組んでいるといえるでしょう。

編入・転学のプログラムも充実

マレーシア国内、イギリス、オーストラリア、アメリカなど海外大学からの編入が盛んに行われる一方で、マレーシアの大学から海外大学への転学も広く送り出しています。

アメリカン・ディグリー・トランスファー・プログラム

アメリカン・ディグリー・トランスファー・プログラム(ADTP:American Degree Transfer Programme)は、「米国大学編入(移行)」プログラムを意味します。マレーシアの私立大学で所得した学位を、アメリカの大学にトランスファー(移行)し、アメリカの大学の学位を取得するプログラムです。このプログラムは履修期間が4年間となります。4年間の履修のうち、前半2年間をマレーシアで履修し、後半の2年間をアメリカの大学で履修する「2+2」スタイルをよく選ばれています。

ツイニングプログラム・ダブルディグリープログラムとの違いは、あらかじめ提携校、学部が決まっていないことにあります。そのため、主にアメリカの多数の大学への自由な留学が可能となります。実際にマレーシアで学びながら、あらゆる可能性を考慮し、自分の進路を選択できることが最大の魅力です。このコースでは、アメリカ以外の大学が対象となることもあります。その場合は、イギリス、オーストラリア、カナダなどの大学の学位を取得することもできます。

「2+2」のみでなく、以下コースを選択することも可能です。

  • 「2+2」コース…前半2年間マレーシア、後半2年間アメリカ留学コース
  • 「1+3」コース…初年1年間マレーシア、後半3年間アメリカ大学留学コース
  • 「1+4」コース…初年1年間マレーシア、後半4年間アメリカIVYリーグ大学留学コース
  • 「4+0」コース…4年間マレーシアのみ

イギリス式カリキュラムではないため、最初の2年間は日本の大学同様、一般教養課程を学びます。ADTPでは提携先が固定されていないので、この時点で進路を決める必要はなく、具体的な目標がなくても、焦ることはありません。まずマレーシアで学びながら、自信が将来どんな道に進みたいのかを広い視野をもって、時間をかけて考えることで、以後の留学先、専攻課程をより確実に選択することができるプログラムです。

ツイニング・プログラム(Twinning programme)

「海外提携大学」プログラムを意味します。マレーシア国内にある大学で、イギリス、オーストラリアなど欧米の海外提携大学の学位を取得するものです。マレーシア国内のみで履修する「3+0」コース、2年次以降を海外大学に留学して履修する「2+1」コースなど、個々人の希望により選択できます。費用を抑えることにウェイトを置く場合は、マレーシアのみで履修することをお勧めします。

  • 「3+0」コース…マレーシア国内のみの履修コース
  • 「2+1」コース…1~2年をマレーシア、3年次に海外大学留学コース
  • 「1+2」コース…1年次をマレーシア、2~3年次に海外大学留学コース

※このツイニング・プログラムは、一般のマレーシア国内の大学の学位取得と比較すると海外提携校に留学しない場合でも学費は高めです。

(5)大学の種類

マレーシアには主に次の3タイプの大学があります。国立大学・私立大学・海外大学分校。国立大学は約20校、私立大学は約50校あります。そして、数は多くないですが海外有名大学のマレーシア分校があります。大学はカレッジ(College)やユニバーシティー(University)と呼ばれ、それぞれ名称が異なります。

マレーシアの大学ではタイプ、レベル、入学時期、履修内容・年数など、すべてにおいて決まった形はありません。個々人に合った自由なスタイルを選択することができるマレーシアでは、より充実した大学生活を送ることが期待されます。

CollegeとUniversity

大学の名称を見てみると、カレッジ(College)、ユニバーシティ・カレッジ(University College)、ユニバーシティー(Univercity)とに分かれていることに気づきます。これらは施設・学校の規模、授業履修レベルによって分かれています。

最も高度・大規模なものからユニバーシティ、ユニバーシティ・カレッジ、カレッジと表記されることが多いです。

国立大学と私立大学

約20校あるマレーシアの国立大学は、マレー人を優遇するかつてのブミプトラ政策の名残りで、現在でもマレー語で行われる授業が多くあります。また、入試もマレー語で行われています。それらの特徴から、国立大学は主にマレーシア国内の学生を対象としたローカルな大学といわれています。留学生の受け入れに対しては消極的です。

一方、日本からの留学生の受け入れに積極的なのは私立大学で、約50校あります。私立大学では学内公用語として英語が使われています。日常的に英語を使う刺激的な環境を求め、世界各国から様々な目標を持った学生たちが集まります。日本人が留学先として選択する場合は、ほとんどがこの私立大学になります。

その他、海外大学の分校は、イギリス・オーストラリアなどの名門校の現地大学と同等の学位を、マレーシア国内で取得することができるものです。内容において差異はありませんが、マレーシア国内にあることから、イギリス・オーストラリアに留学するよりも、比較的安価で履修・取得できる点において注目されています。

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